製造業で役立つ国家資格を紹介していきます。
＜高圧ガス製造保安責任者＞
高圧ガスを取り扱う事業所における保安業務を担う国家資格。
高圧ガスを扱う場所での設備の維持・点検・調査などを行うのが主な仕事です。

高圧ガス保安協会が試験を実施しています。
9つの資格があり、免状の種類に応じて職務を行うことができる高圧ガスの種類の製造施設の規模に制限が設けられているものがあります。
①甲種化学責任者免状・②甲種機械責任者免状
　石油化学コンビナートなど高圧ガス製造事業所において、製造にかかる保安の統括的な業務を行う方に必要な資格。
　高圧ガスの種類および製造施設の規模の制限はありません。
　保安技術管理者、保安主任者および保安係員などに選任され、全ての製造施設に関する保安に携わることが出来ます。
③乙種化学責任者免状・④乙種機械責任者免状
　石油化学コンビナートなど高圧ガス製造事業所において、製造にかかる保安の統括的または実務的な業務を行う方に必要な資格。
　高圧ガスの種類に制限は無く、保安技術管理者、保安主任者および保安係員などに選任されます。
　ただし、保安技術管理者は、一日につき高圧ガスの処理能力が、100万ｍ3未満の事業所に限られています。
⑤丙種化学（液化石油ガス）責任者免状
　LPガス充填事業所やLPガススタンド等のLPガス製造事業所において、LPガスの製造にかかる保安の統括的または実務的な業務を行う方に必要な資格。　
　LPガスの保安主任者、保安係員の場合、施設の規模を問わず選任することができます。
   また、保安技術管理者に選任される場合は、ガス処理能力が一日につき、100万ｍ3未満の事業所に限られています。
⑥丙種化学（特別試験科目）責任者免状
　石油化学コンビナート等の製造事業所、充填事業所、天然ガススタンド等において、製造にかかる保安の実務的な業務を行う方に必要な資格。
　高圧ガスの種類および製造施設の規模については制限がありませんが、保安係員のみに選任されます。
⑦第一種冷凍機械責任者免状
　主に大型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造にかかる保安の実務を含む統括的な業務を行う方に必要な資格。
　全ての冷凍の製造施設に関する保安に携わることができます。
　冷凍能力と冷媒ガスの種類に制限はありません。
⑧第二種冷凍機械責任者免状
　主に中型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造にかかる保安の実務を含む統括的な業務を行う方に必要な資格。
　一日の冷凍能力が300トン未満の製造施設に関する保安に携わることが出来ます。
　冷凍能力と冷媒ガスの種類に制限はありません。
⑨第三種冷凍機械責任者免状
　主に小型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において製造にかかる保安の実務を含む統括的な業務を行う方に必要な資格。
　一日の冷凍能力が100トン未満の製造施設に関する保安に携わることが出来ます。
　冷凍能力と冷媒ガスの種類に制限はありません。

試験は年一回で、①~⑧の試験科目は、法令、保安管理技術、学識です。それぞれの資格によって関連する問題が多く出題されます。
⑨の試験科目は、法令、保安管理技術です。
また、科目免除制度があります。詳細は高圧ガス協会のホームページでご確認ください。
（高圧ガス保安協会：https://www.khk.or.jp/）

ご自身が従事したい業務で取り扱う高圧ガスの種類や施設の規模を確認した上で、取得する資格を決めて進めることが良いでしょう。